月間50万PV を超えても大丈夫!エックスサーバーは安定性抜群のレンタルサーバーだった

更新日: 公開日:2017/10/13
月間50万PVを難なく支えるレンタルサーバー

運営している一部のブログの月間ページビュー(PV)数が、平均して 50万PV を超えるようになりました。同一サーバー上で運営している他のサイトも含めると、月間のトータル PV 数は 65万前後です。

コンテンツ量が多いサイトで、一時的にバズって PV 数が増えたわけではなく、時間を掛けて右肩上がりで増えながら50万PVで安定した感じです。そんな僕のサーバー環境は、月額900円から利用できるエックスサーバーのスタンダード (X10) プランです。

元々はロリポップ!レンタルサーバーを利用していた。しかし月間10万PV になった辺りからサーバー性能を意識するようになり、結果的にエックスサーバーを契約する運びとなりました。

当時から PV 数の増加を目標にしていたので、後々のサーバー移行処理の手間を考えると、最初からエックスサーバーを選んでおけば良かったと思うこともありました。ロリポップは Xserver より価格は安いですが、エックスサーバーの月額1,100円も高いわけではありません。

そして6年間エックスサーバーで運用してきて、前評判の通り満足度の高いサーバーであると実感しています。今回は主にエックスサーバーのおすすめポイントをまとめた内容です。将来的に50万PV以上、行く末は100万PVを目指す人にはぴったりのサーバーなので、是非参考にしていただければと思います。

【追記】この記事掲載から3年後に、月間100万PVに到達しました。Xserver は100万PVに達する状況でも、全く遅くならず1ヶ月間安定して動いてくれました。

50万PV のデータ転送量とリアルタイムアクセス数

サーバーラック

僕が運営するサイトは全て WordPress で構築し、一部のページで限定的に静的ファイル(html を書いて作ったページ)を用いています。WordPress のテーマは無料テーマを参考に、オリジナルで作ったものです。

データ転送量は画像データ量によって違いが生じます。リアルタイムアクセス数(現在サイトを閲覧している人数)においても、平均滞在時間に左右される部分が大きいため、下記内容は参考程度に留めていただければと思います。

50万PVを超えた時のデータ転送量

1ページあたりの画像利用枚数は、必ず指定するアイキャッチ画像(記事の頭に表示させる画像)を含め3~5枚。技術系の記事は10枚を超えることもあります。1枚あたりのサイズは平均して 500KB くらい。

一般的なブログ記事と比較しても、画像掲載枚数は多い方ではないかと思います。その状況であることを踏まえて、データ転送量をご覧ください。

ファイル種類月間転送量割合
画像ファイル187.1GB66.46%
フォント43.2GB15.34%
HTML36.8GB13.06%
CSS9.8GB3.49%
JavaScript4.6GB1.63%
その他45MB0.02%
合計281.5GB
1日平均9.38GB

画像ファイルが圧倒的な容量を占めていますが、それでも1日あたり 10GB 未満。この数値は、アクセス数に対して圧倒的に少ない転送量です。

他のサーバーであれば月間転送量は計算上 1TB 近くになりますが、エックスサーバーでは X アクセラレータ(後述で説明)なる機能があり、サーバーで静的ファイルがキャッシュされるので、転送量を大きく減らし高速化も図ることができます。

また画像ファイルは大きなサイズのままアップロードせず、プラグインを介して画質を落とさず容量を圧縮しています。利用しているのはこちらのプラグイン。

それでも XSERVER の度重なるサーバー強化により、1日あたりの転送量は 900GB まで許容しています。数年前まで 60GB だったのに、いつの間にか15倍にパワーアップしています。もはや月500万PVくらいまでは、難なく処理できるのではないかと思うほどです。

リアルタイムアクセス数はどれくらい?

こちらは Google Analytics の「リアルタイム」のアクティブユーザー数(現在閲覧されているページ数をカウントしたもの)を参考にしたものです。まず前提として、平均的なセッション継続時間(閲覧時間のようなもの)は 約60秒 です。ページによっては、5分超えや30秒未満の場合もあります。

滞在時間だけでなく、時間帯や曜日によってもアクティブユーザー数は異なります。

状況リアルタイムアクセス数
日中平均80 ~ 90
多い時間帯100 ~ 120
深夜10 ~ 15
一時的な過剰アクセス200 以上

閲覧者が多く集まるコアタイムは 10:00 ~ 24:00 です。同時アクセスが 100 程度であれば、30分で 500PV を超えてきます。サーバーへ同時アクセス数(リクエスト数)は1秒間に多くて3人程度なので、レスポンス遅延が生じる心配もありません。

同時アクセス数はどれくらい耐えられる?

エックスサーバーの限界は、今のところ体験できていません。同時アクセス数 1,000 あっても、何事もなく動いています。遅延もありません。僕が利用している数年の間に、メモリの増強やストレージの SSD 化、そして負荷を軽減させる機能の追加など、強靭なサーバーに進化しました。

なおサーバーの限界は、利用するプラグインによっても変わります。ごくまれに負荷の高いプラグインが存在するようです。

僕の経験上では、最大で 1,100 アクセスまで確認できています。下記画像はその途中段階でキャプチャーしたものです。

Xserver 同時アクセス数1000人超え

過去に書いた記事が、時事ニュースと関係性の高いものだったため、一時的に大量のアクセスが発生しました。サーバーがダウンしないか心配で張り付いて見ていたものの、ページ読み込み速度が遅くなることもなく、いつもの平常運行でした。サーバーログを見返しても、リクエストからレスポンスまでいつも通りの応答時間でした。

あまりにサーバーへ負荷が掛かると、エックスサーバーから利用帯域を制限されるペナルティを課されるのですが、この状態が数時間続いても問題ありませんでした。

同時アクセス数の限界まで達したことはないので確実なことは言えませんが、想像以上にエックスサーバーは強固なサーバーだと思っています。

エックスサーバーの性能

Xserverロゴ

サーバースペック

まずはエックスサーバーのスペックについて軽く触れておきましょう。サーバーは全て SSD 化され、メモリは 512GB になります。クラウドサーバーではないため、自分の好みに合わせてスペックを変更することはできません。

全プランサーバーの基本性能は同じですが、プランによって CPU のコア数、メモリ容量の割当が変わります。しかし僕が契約している一番下のプランでも、CPU 6 コア、メモリ 8GB が最低保証であり、十分すぎる性能をもっています。

最新のサーバーの CPU は、24 コア& 48 スレッド の AMD EPYC (2.80GHz) が2枚挿しです。細かいスペックは次のページを参照してください。

エックスサーバーは年を追うごとにサーバー性能が良くなり、既存の利用者に対しても新しいサーバーが使えるような移行プログラムも用意されています。わざわざ移行手続きをしなくても、時が来れば勝手にスペックアップしてくれるのも嬉しいポイントです。

実際に旧サーバーから新サーバーへ移行した場合に、どのくらい処理能力がアップしたのか次のページにまとめています。(今は 512GB あり、その前に 192GB へパワーアップした際に検証した記事です。)

エックスサーバーは安定性も高く、僕が利用している環境においては DDoS 攻撃により6年間で1度だけアクセスが困難になったり程度です。しかもそんなに時間が掛からず復旧しています。

他のサーバーと比較しても、エックスサーバーは不具合発生率が圧倒的に低く、処理性能は高いと評価できます。人気を支える根底には、性能・コスト面におけるユーザー満足度の高さがあるのは間違いありません。

エックスサーバーをおすすめする理由

では僕がどうしてここまでエックスサーバーを勧めるのか、その理由を含め細かい部分を見ていきましょう。まずは実際に使って感じたメリットです。

エックスサーバーのメリット

  • 独自ドメインが無料でもらえる
  • https が無料で使える
  • nginx を導入し HTTP/2 に対応
  • サーバーキャッシュ機能で高速化
  • サーバーバックアップが無料
  • 独自ドメインの利用できる数が無制限
  • FTPアカウントを無制限に追加できる
  • 無料の電話サポートが付いている
  • 1日あたりの転送量上限が 900GB

無料で独自ドメインがもらえる!

Xserver でサーバー契約すると、独自ドメインが無料もらえるサービスが提供されています。しかも取得だけでなく更新料も無料になる太っ腹なサービスです。更に対象ドメインは新規取得に限られず、既に他の会社で契約しているドメインを、エックスサーバーに移管(ドメイン管理会社を乗り換えること)するのも OK です。

僕はこのキャンペーンに乗じて、ムームードメインから移管を行いました。ロリポップからのサーバー移行を含め手順をまとめているので、ドメインを含めて丸ごと移行する際は参考にしてください。

無料 SSL による https 対応

問い合わせフォームのような、インターネットを介して送るデータを暗号化することで、セキュリティー面が向上します。これまでは e コマース(ネットショップ)のような個人情報を扱うサイトで必要とされていたものですが、昨今は一般的なサイトも Web フォームがあったりするので、対応するサイトが増えてきました。

更に Chrome ブラウザが http でアクセスするサイトに対して「保護されていません」と警告を出すように仕様変更するなど、Web サイトは SSL 化するのが当たり前な状況になってきています。

また Google が https 対応を推奨するようになり、SSL 対応の機能を無料提供するレンタルサーバーが増えてきました。そんな中、いち早く機能提供を開始したのがエックスサーバーなのです。時代の流れにいち早く対応できるフットワークの軽さが、僕の中では高い評価につながっています。

nginx を導入して HTTP/2 に対応している

HTTP/2 とは https と組み合わせて利用するものです。理解しやすいように簡単な図を用意したので、ご覧ください。

Xserverがhttp/2で通信するようになると処理時間が短縮する

HTTP/2 では、要求した画面表示用のデータが戻ってくるのを待たずに、次の要求ができます。これを繰り返すことで、全体的に画面表示の時間が短縮されます。そしてこの通信機能を使う前提条件が SSL 対応(https化)です。

エックスサーバーは HTTP/2 を導入するだけでなく、その能力が遺憾なく発揮されるように Web サーバーには nginx(エンジンエックス)が使われています。

この nginx は Apache よりも大量の同時アクセスの処理に最適化されていて、WordPress で構築したサイトと非常に相性が良い のが特徴です。エックスサーバーは2017年以降、一気に性能や機能がグレードアップしたので、これまで以上に「スキのない最高のサーバー」であると自身を持っておすすめできます。

X アクセラレータのサーバーキャッシュ機能で高速化

「X アクセラレータ」とは、サーバー上で機能する Web ページの表示を高速化するための仕組みです。具体的には次のような処理が行われます。

  • 静的ファイルがサーバーにキャッシュされる
  • サイト表示が高速になる
  • 同時アクセス数の限界が拡張される
  • ついでに PHP 処理も速くなる

冒頭でデータ転送量の話に触れましたが、この機能のお陰で大幅に転送量が削減されています。X アクセラレータを利用するまでは、Web サーバーのキャッシュには懐疑的だったものの、実際の数値を見ても明らかに自身のサーバー負荷が軽減したのが分かりました。

Web ページを表示する上で最も重要なのは応答速度です。これは Google の検索結果表示順位にも影響する項目の1つです。ただでさえ処理が重い WordPress 利用者にとっては、絶対に設定しておいたほうが良いおすすめの設定項目です。

強いてデメリットを挙げるのであれば、キャッシュ機能により CSS ファイルを更新してもしばらく反映されない点です。頻繁に更新するものではなので、あまり気にはしてません。

データバックアップは標準機能

一般的なレンタルサーバーは、追加料金でデータをバックアップするサービスが提供されています。一方エックスサーバーは、標準機能にバックアップが完備。つまり追加料金無しで利用できます。

データ保存期間
Web・メール過去7日分
データベース過去14日分

管理画面の「自動バックアップデータ取得申請」より、データを取得できます。

独自ドメイン・FTPアカウントの利用が無制限

ペラサイトのような1ページ完結型のサイトを運用するのであれば、独自ドメインの上限数指定がないのは嬉しい仕様です。(僕の場合は5個くらいで十分ですが。)

FTP アカウントは、ロリポップのように追加できないレンタルサーバーのほうが一般的です。

サーバー用途によって FTP アカウントが複数作れるのは重要なポイント。例えばエックスサーバーのリソースは、条件付きで第三者(最大5ユーザーまで)に再販できます。つまり、自身が借りている環境の一部を又貸しするようなイメージです。その時、貸し出したディレクトリのみアクセスできるように FTP ユーザーの作成が必要になります。

無料の電話サポート付き

レンタルサーバー初心者であれば、上記メリットを読んでも難しいと感じるかもしれません。他にも数多くあるサービスに戸惑ってしまうこともあるでしょう。でも心配は無用です。エックスサーバーには、次のような内容に関して電話でのサポート窓口が提供されています。

新規契約に関する相談
  • サーバー料金、各種仕様について
  • ドメイン、SSLの種類、料金について
  • お申し込みからお支払いてまでの流れについて
  • 他社からの乗り換え手順について
契約後の運用に関する問い合わせ
  • 各種管理パネルへのログイン
  • 各種管理パネル上の操作方法
  • メールソフトの設定方法
  • FTPソフトの設定方法
  • 独自ドメイン追加設定方法
  • サーバーやドメインの契約更新
  • 各種プログラムの自動インストール方法

サーバー関連の用語に精通していない人にとっては、メールだけのやり取りだと意図した内容が伝わりにくく、回答をもらっても理解できないことが多々あります。質問内容が上手くまとまっていなくても、電話であればある程度言いたいことが伝わるので、少なくとも初心者には嬉しいサービスだと思います。

転送量は意識しないほうが良い

レンタルサーバーを借りる時に、どうしても気にしてしまうのがデータ転送量です。エックスサーバーはプランによって転送量上限の目安が定められているものの、上限を超えても追加料金は発生しません。

プラン転送量の目安
スタンダード (X10)900GB/日
プレミアム (X20)1,200GB/日
ビジネス (X30)1,500GB/日

通常の Web サイトの運営であれば、スタンダード (X10) プランの1日あたり 900GB でも十分な転送量です。僕の場合 月50万PV で、1日あたり X アクセラレータの効果で 9.38GB しか転送量が無いため、理論上は 月間4,500万PV あっても超えない計算になります。

え?エックスサーバーって、そんなに莫大な PV 数を処理できるの?!

そう思ってもおかしくはないですが、現実的に難しいです。なぜなら転送量の上限に達する前に、おそらく同時アクセス数が常に多い状態になり、CPU の負荷が高すぎで利用制限が掛けられる可能性のほうが高いです。

経験者の話を聞くと、アクセス過多になると「500 Internal Server Error」が出始めるそうです。500 エラーが頻発すると、エックスサーバー側から利用制限が掛かり、負荷軽減の対応をするまでアクセスしづらい状況になってしまうようです。

現実的に処理できるのは、一時的なバズが無いとして 月500万PV くらいが現実的ではないでしょうか。そうなると、データ転送量よりも PV 数を意識しておかないといけないことが分かるでしょう。

この話は X アクセラレータ機能が提供される前の内容なので、もしかすると現状ではもっと多くの同時アクセス数でも処理できる可能性は高いです。

負荷が高くてダウンするリスクを避けるなら、スタンダードプラン (X10) ではなく、CPU やメモリ割り当ての多い上位プランを選択するのが妥当です。なお業務用なら確実にビジネスプラン (X30) がおすすめです。

エックスサーバーのデメリットはあるの?

良いところだけ並べても評価と言えないので、僕が6年間運用していて気になった点も挙げておきます……と言いたいところなのですが、過去にここで挙げていたデメリットが、サーバーのアップデートと共に改善され、ほとんとデメリットがなくなってしまいました。

強いて挙げるなら、唯一残されたこちらです。

まれにサーバー障害がある

こればかりはレンタルサーバーを借りている限り、絶対に避けられない事案です。仮に自前でサーバーを立てても、100% 避けられないと思います。サーバー障害が起こる理由は次の通りです。

  • サーバー上の他の利用者のサイトがアクセス過多になる
  • サーバーが DDoS 攻撃を受ける
  • サーバーの物理的破損

おそらく最後の破損に関しては、発生する可能性は限りなくゼロに近いです。しかし上の2つは、意図しないタイミングで発生します。

しかし Xserver も障害対応の経験が十分にあるため、問題になっても短時間で解決することが多いです。サーバーが多いため、障害一覧を見ても発生頻度が高いように思えますが、年に1回発生するかどうか程度のものです。

WordPress 専用サイトなら wpX がベスト

サイトの成長に合わせてサーバーを強くしたいなら、プラン変更をして即座に CPU やメモリ性能を向上できるクラウドサーバーの利用も視野に入れてください。

月額料金は少し上がりますが、NVMe を採用した wpX Speed は一般的な SATA SSD 構成よりも理論上は16倍速く、高負荷時に自動的にサーバースペックを上げる機能も提供されています。アクセス過多のサーバーダウンを心配する方にはピッタリのサーバーです。

運営元はエックスサーバーと同じ。以前あった wpX のクラウドプランよりも更にパワーアップして、複数の WordPress が設置できるようになりました。今僕が1から構築しなおすなら、確実に選択肢として検討するであろうサーバーです。

まとめ

大容量データのダウンロードがないブログを含む一般的な Web サイトであれば、エックスサーバーのスタンダードプラン (X10) で十分です。50万PV程度では、全く動じないレベルです。

実際に 月100万PV のサイトであっても、エックスサーバーを使い続けている人は多数います。一昔前はサーバーのメモリが 16GB しかなく CPU も弱かったので、ちょっとしたアクセス過多で制限が掛かってしまうことがありました。しかし今はメモリ 512GB で CPU もデュアル構成、ストレージにも SSD が採用され、誰もが認めるパワフルなサーバーに進化しています。

1,000円前後で利用できるレンタルサーバーで、ここまでポテンシャルの高いサーバーはなかなかありません。今後も確実に進化していくことが期待できるサーバーなので、ちょっと背伸びをしてでも利用する価値は十分にあります。まずはお試し期間を利用して、その性能を確認してみててください。

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このブログの運営者

NJ

Web系メインで従事していた元システムエンジニア。現在は個人事業主として独立。Webサイト運営における「困った問題」の解決方法をブログで発信。Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりをしている。