WordPress の画像圧縮プラグイン EWWW Image Optimizer をおすすめしない理由

更新日: 公開日:2017/09/08
EWWW Image Optimizer

WordPress にアップロードする画像ファイルを圧縮するプラグインを導入することで、サーバーからのデータ転送量を減らすことができます。

すると、ファイル読み込み時間が短くなるため、全体の画面表示時間も短くなり、ユーザービリティが向上します。最終的には Google 等の検索サイトへの評価にもつながるため、WordPress 利用者であれば画像圧縮プラグインは必須とも言われています。

画像ファイルの容量を軽くする」ことが目的であれば、基本的にはどのプラグインを使ってもほとんど違いはありません。しかし「データ転送量を含めサーバー負荷を軽減する」ことが目的であれば、どのプラグインでも良いわけではありません。

画像圧縮プラグインで最も有名なのは「EWWW Image Optimizer」です。WordPress での定番プラグインの1つなので、調べてみると数多くの情報が見つかります。ただ、サーバー負荷を軽減するには不向きである側面を持っています。

EWWW Image Optimizer をおすすめしない理由

圧縮処理はサーバー上のプログラムで実行

結論から先に述べてしまうと、このプラグインは WordPress をインストールしたサーバー上で圧縮プログラムが処理されるため、サーバーの CPU 負荷が著しく高くなるデメリットがあります。

【WordPress 上での処理】画像をアップロード→WordPress上でサムネイルが作成される→サーバー上で圧縮処理が行われる(ここがサーバーに負荷が掛かる)

例えば、大量の同時アクセスに備えて EWWW Image Optimizer で画像を圧縮するところまでは問題ありません。しかし、常時大きなアクセス数がある状態で同プラグインの圧縮処理を行うと、CPU に大きな負荷が掛かるため、ページ表示速度にダイレクトに影響するのです。

使用制限が掛かっているレンタルサーバーが存在する

レンタルサーバーの大手であるエックスサーバーが運営する WordPress 専用のレンタルサーバーである「wpX(ダブリューピーエックス)」は、サーバー負荷が高いことが原因で EWWW Image Optimizer が利用できないように制限されています。

正確には wpX では exec コマンドが実行できないように制限されているので、exe ファイルの起動が必要になるプラグインは利用できません。

大半のレンタルサーバーは共有サーバー(他の利用者とサーバーのリソースをシェアしている状態)であるため、1人のユーザーが CPU に高負荷を掛けることは望ましくありません。場合によってはデータ転送量の上限に達していないにも関わらず、CPU 負荷の影響によりアクセス制限が掛かるケースもあるのです。

代わりのプラグインは何がおすすめ?

僕が利用しているのは Compress JPEG & PNG images

画像のサイズを縮小してくれる Web サービス「TinyPNG」をご存知でしょうか?一部の人には有名な画像圧縮サービスですが、この TinyPNG の API を利用した WordPress のプラグインが存在します。

メールアドレスを登録して API キーの取得・設定が必要なこと、そして無料で利用できるのが 1か月あたり 500 ファイルまで(月初にリセット)と制限はあるものの、EWWW Image Optimizer と異なり TinyPNG のサーバー上で圧縮処理をしているため、WordPress を利用しているサーバーに負荷が掛からない特徴があります。

WordPress での処理とTynyPNGでの処理の流れ

このプラグインを導入して2年ほど経ちますが、特に問題になるようなこともなく使えています。別サーバーで処理するので、少々アップロード時間が掛かるデメリットがあるものの、慣れてしまえばそんなに気になることもありません。

以下のページで導入方法から使い方まで詳しく説明しています。よろしければ参考にしてください。

EWWW Image Optimizer を導入するなら専用サーバーで!

外部サーバーを経由するプラグインを使いたくないのであれば、EWWW Image Optimizer を使うしかありません。ただ前述の説明通り、CPU 負荷の高い処理になるので利用する際はお気をつけください。

EWWW Image Optimizer の利用に適した条件

  • アップロードする画像ファイルが少ない
  • サイトへの同時アクセス数が少ない
  • 専用サーバーを使っている

上記のいずれかに当てはまるのであれば、導入を検討しても構いません。特に専用サーバーであれば利用者は自身だけになるため、いくら CPU に負荷が掛かっても影響を受けるのは自分のみです。

レンタルサーバーも年を追う毎に性能が向上しているため、将来的には CPU 負荷が懸念材料にならない日が来ると思います。例えばエックスサーバーであれば、2016年11月よりインテル Xeon プロセッサーの CPU が1枚から2枚に増えて「10 コア& 20 スレッド × 2」と大幅に性能アップしています。

共有サーバーである以上、どれくらいの CPU 性能があれば大丈夫か言及することはできません。サーバーの性能アップに合わせて、1台あたりのユーザー数を増やすことも考えられます。一度アクセス制限が掛けられてしまうと手続きが面倒なので、できる限り安全な策を講じることをおすすめします。

最後に、画像圧縮系のプラグインは他にもいくつか存在しますが、使用感が分からないため説明を割愛させていただきました。仕様を見る限り使えそうなものも中にはありましたが、Compress JPEG & PNG images で満足しているため検証まで至りませんでした。先々、時間を作って画像圧縮系プラグインの比較を行いたいと思います。

以上、WordPress の画像圧縮プラグイン EWWW Image Optimizer をおすすめしない理由でした。

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このブログの運営者

NJ

Web系メインで従事していた元システムエンジニア。現在は個人事業主として独立。Webサイト運営における「困った問題」の解決方法をブログで発信。Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりをしている。