ロリポップサーバー スタンダードプランからの移行先を検討する
ロリポップサーバーでブログを運営して10年。最初に契約したロリポプラン(現在のライトプラン)からチカッパプラン(現在のスタンダードプラン)へ変更してから2年。
ここ最近、右肩上がりにアクセス数が増えているので、もう1つ上のランクのサーバーを借りようと検討しています。
候補のサーバーは2つ
ロリポップで上位プランに移行
このままロリポップを継続するなら、最上位プランのエンタープライズプランまで格上げするしか方法がありません。ただ月額料金が一気に跳ね上がってしまうため、そこまでコストを掛けるメリットがあるのか判断に迷います。
検討している当時はハイスピードプランがありませんでした。2021年現在であれば、サーバー性能が一気に上がって WordPress にも最適化されているハイスピードプランが間違いなくおすすめ。手続きが簡単で、移行処理の手間が省けます。
一部界隈に人気の XSERVER に移行
一般的な知名度の高さはないものの、GMO 系の会社を除くと口コミでの評判の高さがピカイチなのは Xserver でした。スタンダード (旧 X10) プランの仕様を見る限り、月額1,000円程度でかなりコストパフォーマンスが高いと感じました。
単に WordPress だけを運用するのであれば、エックスサーバーが運用している WpX サーバーも候補に挙がります。しかし WordPress を利用しない静的サイトが作れないようで、僕の目的に合わず。
使い慣れているロリポップで上位グレードにするか、値段も考慮して XSERVER へ移行するか、僕の中で2択に絞り込みました。
現状のスタンダードプランに不満なし
冒頭で述べたように、僕は10年超えのロリポップユーザーです。これまで他の人が言うほど、ロリポップが悪いと思ったことはありません。きちんと安定稼働していますし、2013年にサイト改ざん騒動があったものの、それ以降はセキュリティ対策もきちんと行われています。
あれから8年経過し、今でも人気のサーバーとして存在しているのを考慮すれば、もはやロリポップが障害を克服して会社としてパワーアップしたと評価するのが妥当です。
そもそも利用者数が170万人を上回る実績があり、ロリポップを利用する上で何も問題はありません。月額500円台で利用できるレンタルサーバーでは、ロリポップのスタンダードプランが一番利用しやすいプランだと思っています。
移行検討のきっかけとなった転送量
ロリポップは当時10GB/日
移行検討時のスタンダードプランの転送量上限は 10GB/日 でした。大容量の画像を取り扱わなければ、月間20万PVくらいは処理できる数値です。
同時は月間50万PVを目指していたので、早いうちに処理能力が耐えられるサーバーに移るのが最大の目的でした。しかし2015年12月15日よりロリポップのスタンダードプランの転送量上限が 100GB/日 に大幅緩和されたので、サーバー移行が無駄な作業にならないか考え直しました。
転送量だけに注目すれば、ロリポップが優位です。あとは将来的なサイト運営の計画として複数サイトの構築予定があるので、大量の同時アクセスにも耐えられるサーバーが望ましいです。
2021年11月現在、転送量は更に容量が増えて1ヶ月で 24TB にもなりました。単純計算で1日あたり 800GB です。もはや転送量を理由に移管を考える必要はなくなりました。
最終的にサーバー性能を加味して、判断することになると思います。
エックスサーバーは同時アクセスに強い印象
エックスサーバーが候補に挙がったのは、同時アクセス数 1,000 を超えてもダウンしない実績が報告されているサイトが多数あったことによります。転送量は当時で 70GB/日 もあり、月間100万アクセスくらいは十分耐えられる量です。
2021年現在 900GB/日 までパワーアップしています。2020年まで 150GB だったのに、Xserver の進化がすごい!
月額1,000円払ってロリポップから移行する価値があるのか、見極めなくてはいけません。ちなみに XSERVER は独自ドメインやサブドメイン、そして FTP アカウントが無制限に作れます。
ロリポのハイスピードプラン以降はサーバーが高速
ロリポップのハイスピードプランは12ヶ月分をまとめて契約すれば、月額たったの825円です。完全に Xserver を意識したプランで、高速な Web サーバーである LiteSpeed を導入し、少しでも価格を安くするように作られたプランだと思います。
実は値段を安く抑えて、サーバーのスピードも求めるなら、今はロリポップのハイスピードプランが最強のコスパを誇ります。今だったら間違いなくハイスピードプランを利用していると思います。(この記事を書いた当初は存在していないプランだったので)
転送量は驚異の月間 30TB まで許容。もうここまで大きな数字になると、データ転送量でサーバーを決める時代は終わったと言えるかもしれません。それでも複数人で同じサーバーを共有するため、短時間の大量アクセスがあったような場合、必ずしも耐えられるわけではなさそうです。
これは共有サーバーの宿命です。サーバーの性能が向上しても、アクセス過多による障害が起こる可能性は十分あります。同じサーバーの同居人の負荷のせいで、自分のサイトの表示速度が遅くなる場合もあります。それが嫌なら、お金を掛けて専用サーバーを借りるしかありません。
各レンタルサーバーのお試し期間を利用する
エックスサーバー並びにロリポップサーバーのお試し期間は10日間です。この期間を利用して、スタンダードプランで構築していた環境と同じものをエンタープライズプランのサーバーとエックスサーバー X10 プラン(現在のスタンダードプラン)のサーバー上に構築し、レスポンス速度などを具体的に比較して検討してみることにしました。
サーバー性能の向上やチェックツールの仕様変更などで、現在と得られる数値は異なります。以下の数値はあくまでも比較当時のもの。参考程度にご覧いただければと思います。
サイトの表示速度チェックツールを利用
サーバー性能を調べるために、次の3サイトの比較ツールを用いて簡単な検証を行いました。
- PageSpeed Insights
- WEBWAIT(サービス終了)
- GTmetrix
PageSpeed Insights 比較結果
Google の提供する携帯端末(スマートフォン)やデスクトップ端末向けページのパフォーマンスを測定してくれるサイトです。比較結果は以下の通りです。
モバイル | パソコン | |
---|---|---|
ロリポップ スタンダード | 81 / 100 | 86 / 100 |
ロリポップ エンタープライズ | 83 / 100 | 88 / 100 |
Xserver スタンダード (X10) | 82 / 100 | 87 / 100 |
横並びの結果になりました。極端に差が出ると思っていたので、この結果は少々驚いています。
なお現行稼働しているスタンダードプランのサーバーは、テスト時点のリアルタイムアクセス数は10人ほど。テスト結果に影響を及ぼさない人数です。
WEBWAIT 比較結果
WEBWAIT は Webサイトの速度を比較するサイトです。(現在はサービス終了)
指定した回数と間隔(秒数)に基づき平均時間を算出。今回は、初期設定の5秒間隔で5回施行して、それを4回繰り返しました。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|
ロリポップ スタンダードプラン | 1.98秒 | 2.37秒 | 2.09秒 | 2.24秒 | 2.17秒 |
ロリポップ エンタープライズプラン | 2.19秒 | 1.86秒 | 2.12秒 | 9.85秒 | 4.00秒 |
Xserver スタンダード (X10) | 1.95秒 | 1.77秒 | 1.49秒 | 1.58秒 | 1.70秒 |
エンタープライズプランの4回目の施行が極端に遅い結果が出てしまいました。これを除けば平均時間は2.06秒となりますが、それでもエックスサーバーより遅い結果となっています。この4回目の施行の時、普通にアクセスしても表示に時間が掛かっていました。理由は不明です。たまたま重い時間に重なったのかもしません。
このように一時的に重くなるのはレンタルサーバーではよくある話なので、仕方ないと考えています。それでもエックスサーバーでの処理が突出して速かった結果となりました。サーバーの処理速度能力を知る材料としては、十分な結果だったように思えます。
GTmetrix 比較結果
GTmetrix は最初に比較した Google の「Page Speed」と、Yhaooが提供している同様の測定ツール「YSlow」の結果を同時に取得してくれます。一部同じツールの計測で被っていますが、実施時間が異なるので測定結果はそのまま掲載します。なお、同じページを比較しているので、ページサイズとリクエスト数は割愛します。
PageSpeed Grade | YSlow Grade | 読込時間 | |
---|---|---|---|
ロリポップ スタンダードプラン | B (87%) | D (64%) | 5.7秒 |
ロリポップ エンタープライズプラン | B (87%) | D (65%) | 4.7秒 |
Xserver スタンダード (X10) | A (92%) | D (68%) | 4.6秒 |
結果を見ると大きな差は出ませんでした。読込速度でスタンダードプランが一歩遅れをとっていますが、評価として影響するほどではありません。
まとめ
今回比較した結果、中規模サイトならロリポップのスタンダードプランで十分だと分かりました。ロリポップは価格の安さに定評があるので、その通りの結果になったと思います。ただ今回の結果から、スタンダードプランからの移行対象としてエンタープライズプランを選択するのは、あまり妥当性がないとわかりました。
バックアップ費用が無料だったり、サポート体制がしっかりしているエンタープライズプランも十分魅力があります。強いて挙げるならサーバーの月額コストが増える分、もう少し性能面での向上が顕著に出てくれれば検討の余地があったかもしれません。
ただ高負荷条件下でのテストではなかったので、一概にこの結果が絶対とは言い切れないところもあります。当然サーバーの能力としては、高負荷状態でも同じ処理速度を維持できる方が強固なサーバーと言えるでしょう。
ひとまずエックスサーバーで様子見か
エックスサーバーのスタンダード (旧X10) プランが、少しだけ良い結果になりました。月額料金1,000円程度であれば、金額面でも手の届く範囲ではないかと考えています。
エックスサーバーはアフィリエイト用サーバーとして人気が高く、集客性が高くアクセス数の多いサイトが数多く存在していると考えられます。そのため、他のサイトからの影響を受けやすいのではないかと心配している面もあります。これは共有サーバーなので避けられない問題ではありますが、推測の域を出ない話なので、サーバーを利用した上できちんとした判断をするべき内容です。
この段階では、エックスサーバーに移して様子を見る予定です。すぐにスタンダードプランを解約するわけではないので、状況によってはエックスサーバーから戻す可能性も視野に入れています。
各サーバーのプラン詳細については、それぞれ公式サイトの情報をご確認ください。
【追記】エックスサーバーへ移行を決定
ここから先何年くらい自身のサイトを運用するか分かりませんが、長い目で見てエックスサーバーへ移行した方が良いと判断し、ロリポップから移転することにしました。詳しい経緯をまとめたので、ぜひこちらもご覧になってください。