初心者向けロリポップのプランの選び方!転送上限100GB/日のスタンダードプランは使い勝手の良いワンコインサーバーか?
ロリポップレンタルサーバーのプランごとの違いは次の通りです。
プラン | エコノミー | ライト | スタンダード | ハイスピード | エンタープライズ |
---|---|---|---|---|---|
月額 | 100円 | 250円~ | 500円~ | ¥1,000円~ | 2,000円~ |
容量 | 10GB | 50GB | 120GB | 200GB | 400GB |
ストレージ | HDD | HDD | HDD | SSD | SSD |
MySQL | 利用不可 | 1個 | 30個 | 70個 | 100個 |
独自ドメイン設定数 | 20個 | 50個 | 100個 | 無制限 | 無制限 |
サブドメイン作成数 | 10個 | 300個 | 500個 | 無制限 | 500個 |
転送量制限 | 40GB/日 | 60GB/日 | 100GB/日 | 100GB/日 | 100GB/日 |
WordPress | 利用不可 | ○ | ○ | ○ | ○ |
ショッピングカート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
無料お試し期間 | 10日間 |
ロリポップは他のレンタルサーバーと比較すると、転送量の上限が多めに設定しているのが特徴で、標準的なスタンダードプランでも 100GB / 日 あります。
これらロリポップのプランの中で一体どれが自分にとって最適なのか、レンタルサーバー初心者の方に向けて詳しく解説をしていきます!
プラン別の用途と特徴
細かい説明をする前に、それぞれのプランがどのような用途に向いているのか、特徴と共に簡単に記しておきます。
プラン | 用途・特徴 |
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エコノミー |
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ライト |
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スタンダード |
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ハイスピード |
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エンタープライズ |
|
WordPress を利用するならライトプラン以上
最安値のエコノミープランが使えない理由
WordPress が利用できるサーバー条件として、データベースの MySQL が必須になります。ロリポップの場合、一番下のエコノミープランでは MySQL が利用不可であるため、WordPress のサイトが構築できません。
これは WordPress に限った話ではなく、簡単に Web サイトが構築できる同様のサービスにおいても言えることです。昨今は投稿内容をデータベースに保存するのが当たり前になっているので、エコノミープランを利用するなら全て html を記述してページを作成するのが前提です。
ライトプランとスタンダードプランの違い
これら2つのプランは、性能面での違いはほとんどありません。ただし値段が異なる分、サービスレベルに違いがあります。
プラン | ライト | スタンダード |
---|---|---|
月額 | 6ヶ月以上のプランで 250円 | 6ヶ月以上のプランで 500円 |
容量 | 50GB | 120GB |
ストレージ | HDD | HDD |
MySQL | 1個 | 30個 |
独自ドメイン設定数 | 50個 | 100個 |
サブドメイン作成数 | 300個 | 500個 |
転送量制限 | 60GB/日 | 100GB/日 |
電話サポート | なし | あり |
無料お試し期間 | 10日間 |
初めてレンタルサーバーを借りるので、あればライトプランで大抵のことはできます。電話サポートはスタンダード以上ですが、メールやチャットサポートには対応しています。
ライトプランでネックになるポイントは MySQL が1つしかない点です。通常 WordPress は1つのサイトにつき、データベース1つ利用するのが一般的です。ライトプランでも複数 WordPress は導入できますが、管理の手間が掛かるのでおすすめはしません。
Web サイトを運営者は、思っている以上に複数のサイトを運営している人が多いです。
Web サイトやブログを複数運営する予定があるならば、最初から複数のデータベースを利用できるスタンダードプランを選択したほうが後々楽になるのは間違いありません。
「とりあえず」レンタルサーバーを借りてみたい人であれば、ライトプランでも十分に活用できます。もう少し本気で Web サイト運営を考えているのであれば、こちらの記事が参考になると思います。
スタンダードプランの凄いところ
ロリポップを検討する上で、最も候補に挙がるのがスタンダードプランです。ライトプランではデータベースが物足りず、程良い価格帯なのでロリポップの中でも一番人気があります。
転送量上限が 100GB/日 で500円は破格
スタンダードプランのずば抜けているのがデータ転送量。当ブログで利用しているエックスサーバーでさえも、一番安い月額1,000円の X10 プランで 70GB/日 です。
他のレンタルサーバーと比べても、価格に対する転送量上限が最も高いのがロリポップです。
転送量とはあくまでもデータ容量の話であり、処理できる同時アクセス数とは少し異なります。大量のアクセス数を処理するなら性能の高いプランが必要になりますが、アクセス数はほどほどで全体のデータ容量が多いサイトにはライトプランが丁度良いです。
- 写真を多く掲載するフォトログ・ポートフォリオのサイト
- 写真の解像度が大きいまま掲載しているサイト
- 容量の大きいダウンロードコンテンツがあるサイト
アクセス数もそれなりに処理できる
前項で、大量のアクセス数を処理するなら性能が高いプランが必要と記しましたが、実際のところスタンダードプランであればあまり意識する必要はありません。
それは何故か。
スタンダード以上のプランには 同時アクセス数拡張 が用意されているからです。簡単に説明すると、この機能を設定した後は一時的(3日間)に同時アクセス数の許容範囲が拡張されます。
つまり自分の記事が一時的にネット上で話題となり(いわゆるバズった状態)、短時間で大量にアクセスを受けた場合、かなりの確率でサーバーが耐えられなくなり 503 エラーが頻発しますが、同時アクセス数拡張によりサーバーダウンしにくくなるというわけです。
同時アクセス数拡張といっても限界はあります。その限界を超えてしまったらサーバーが落ちてしまいますが、このリスクは安いサーバーであれば仕方のないことです。
この機能はスタンダードプラン以上で利用できます。単に金額の安さだけでライトプランを選ぶよりは、安心できるスタンダードプランのほうが個人的にはおすすめできます。
ハイスピード・エンタープライズは本気モード向け
エンタープライズは大規模サイト用
先に伝えておきます。個人でエンタープライズを利用するメリットはありません。完全に企業向けに作られたプランです。ただ企業向けといっても、大量のアクセスを猛烈に処理するのとはちょっと違い、コンテンツ量の多い大規模サイトを管理するのに適したプランです。
何千ページものコンテンツがあるようなサイトや、メールサーバーとしても利用頻度が高いケースには向いています。つまり企業の自社サイトに利用するケースにはもってこいのプランです。
転送量の上限はスタンダードプランと同じなので、大量のアクセスを処理する性能を求めても期待には沿えないでしょう。
今後はハイスピードが標準になる可能性あり
パソコンだけじゃない。サーバーにも SSD を採用する時代がやってきました。このプランは2019年9月に新設されたものです。
ちょっと待って!もう SSD を採用しているレンタルサーバーあるんじゃないの?そう思ったあなたは、既に色々なサービスを調べている方ですね。前述で少し触れましたが、このサイトで利用しているエックスサーバーは早々に SSD 対応を行い、全てのプランで SSD サーバーが利用できます。
といってもエックスサーバーの一番下のプランは、ロリポップのハイスピードプランと値段は同じです。分かりやすくこちらも比較してみましょう。
プラン | ロリポップ ハイスピードプラン | エックスサーバー X10 プラン |
---|---|---|
ディスク容量 | 200GB | 200GB |
Web サーバー | Lite Speed | nginx |
転送量上限 | 100GB/日 | 70GB/日 |
独自ドメイン | 無制限 | 無制限 |
サブドメイン | 無制限 | 無制限 |
MySQL | 70個 | 50個 |
自動バックアップ | あり | あり |
月額1,000円のサーバーとして一番人気であろう、エックスサーバーを意識したプランになっているのが機能一覧を比較しても伺えます。
個人が本気で Web サイトを運営する際に、これまではエックスサーバーを選ぶ人が多かったのですが、スピードプランの登場でロリポップ人気が返り咲く可能性を秘めています。しかし現状はリリースしたばかりで、一部の機能が対応待ちだったりもします。
まだ利用者が少なく情報も出回っていないので現時点での評価は難しいですが、サーバー性能はほぼ一緒なので、ロリポップの管理画面を使い慣れている人には朗報と言えるかもしれません。
初心者向きかどうかの観点から考えると、目指す目標によっては最初から高性能サーバーを利用するのも悪くありません。例えば 月間50万PV くらいを目指すのであれば、SEO 的な評価も必要になるので処理速度の速い SSD を採用したサーバーのほうが若干有利です。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
僕が管理しているサイトは、一部をロリポップからエックスサーバーに移行した経緯があります。もしその時にスピードプランが用意されていたら、そのままロリポップで載せ替えていた可能性は高いですね。(管理画面の使い勝手に慣れていたので)
それでも一部のサイトは、スタンダードプランのサーバー上で運営しています。小規模サイトなので SSD サーバーでなくても、それほど問題視したことはありません。
ハイスピードプランは今後間違いなくロリポップの主軸となるプランなので、金額はスタンダードプランの倍になってしまいますが十分検討の余地はあります。
過去の噂はあくまで過去のもの
新サーバー設置に伴う引っ越しのサービスがある
過去の話を掘り返してみると、ロリポップはサーバーが弱いと言われていた時期もありました。それでも僕が初めてサーバーをレンタルした頃なので、あれからもう15年近く経ちます。
最近の話になると、2015年の年末から2016年の初頭にかけてサーバー強化が行われました。僕のところにも新しいサーバーへの移行のお知らせが届き、クリック1つで新しいサーバーへ簡単に引っ越すことができました。(これ、めちゃくちゃ楽でした)
レンタルサーバーとはいえ、いつまでも古いサーバーで運用を続けるわけではありません。古いサーバーはメンテナンス費用が掛かるため、ある程度の年数が経つと新しいマシンへ引っ越しします。サーバーを借りているユーザーもその恩恵が受けられるので、安心してください。
ロリポップは他の人が評価するほど悪いサーバーではありません。それは現に、利用者実績数の多さが物語っていると思います。僕自身15年近い利用実績がありますが、大規模障害でサーバーがダウンして困ったような状況に直面したことはありません。
小さい規模ならスタンダードプランで満足
無料ブログも多い中、わざわざレンタルサーバーを借りてサイト構築する一番の目的は、自由を求めて借りることではないでしょうか。
無料の範囲では制限されることも、自身で構築してしまえばあれもこれも好きに出来るようになります。そのためにはある程度の機能を持ったレベルのプランを選ぶのが、最も大切だと僕は思っています。
処理速度重視なら、今はスピードプランかもしれません。それでもスタンダードプランが遅すぎるとは言い切れません。僕自身、小規模サイトをロリポップ上で複数運営していますが、もし遅いと感じていたら既に他のサーバーに載せ替えています。
速いか遅いかは、経験的にしか感じることができないので、金額がネックになっているなら安いスタンダードプランを選べば良いし、少しでも速くないとストレスを感じるならスピードプランを選べば良いだけです。
各種プランからスピードプランにプラン変更を行うことは可能です。ただし物理的にサーバーが変わるため、変更時には一時的にアクセスできなくなる等の弊害があります。それも踏まえて検討してください。
目的がはっきりしていれば、選ぶサーバーも自ずと決まります。モヤモヤした状態で何となくサーバーを借りてみようと思っているなら、値段の安さで選んでも大丈夫です。背伸びして無理して高いほうを選ばなくても良いのです。(それでもライトよりはスタンダードを選んで欲しいです)
是非ご自身に合ったプランを選んでみてください。迷ったら10日間お試しで使ってみて判断するのもありなので!
以上、初心者向けロリポップレンタルサーバーのプランの選び方についてでした。